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エコキュートを床暖房に活用するデメリット・メリットを解説

「エコキュートには床暖房に対応できる機種があるらしいけど、他の床暖房システムと何が違うの?」

 

オール電化住宅にお住まい、もしくはこれから購入予定の方は給湯設備や床暖房について検討されたこともあるのではないでしょうか。

 

実は給湯設備と床暖房はかならずしも別々に購入する必要はなく、多機能型のエコキュート1つで給湯も床暖房も担うことが可能です。

 

この記事では多機能型エコキュートの概要やメリット・デメリット、そして多機能型機種の具体例についてご紹介します。

 

 

エコキュート(多機能型)の床暖房における立ち位置

床暖房

 

記事冒頭で多機能型のエコキュートには床暖房の機能を備わっているとお伝えしました。

 

では床暖房機能付きの機種はどのようなもので、他のシステムと比べてどんな特徴があるのでしょうか。

 

ここからは多機能型エコキュートが床暖房システムの中でどのような位置づけなのか、どのような特徴があるのかを具体例と一緒にご紹介します。

 

 

温水式と電気式の違い

  温水循環式床暖房 電気ヒーター式床暖房
仕組み 使用したい場所にパイプを通し、外部で加熱した温水をパイプに流して部屋を暖める 床材のすぐ下に発熱体(または蓄熱体)を設置し、そこに電気を流すことで床を暖める
熱源 電気・ガス・灯油 電気
長所

・温度にムラが生じにくい

・過度な温度になりにくく火傷の心配がない

・毎月のランニングコストが抑えられる

・暖まるまでの時間が短く、素早く暖房効果を感じられる

・小さなスペースに対しても設置できる

短所

・初期費用が電気式よりも高い

・寒冷地で不凍液を使う場合は10年に1度交換が必要になる

・室外機の音が気になる場合もある

・温度のムラが生じやすい

・低温火傷を負う可能性がある

・毎月のランニングコストが温水式と比べて高い

 

床暖房システムには「温水循環式」と「電気ヒーター式」の2種類があります。

 

どちらも長所・短所がありますが、今後増えていくであろうオール電化住宅の場合は温水循環式床暖房が相性が良いのです。

 

温水循環式のシステムは導入コストが高めですが、毎月のランニングコストが安かったり、温度のムラができず火傷の危険性が下がったりするなどのメリットがあります。

 

 

温水循環式の主な種類

多機能型エコキュート

・夜間の割安な電気で沸かしたお湯を貯湯タンク内に貯めて、お風呂・給湯・床暖房に使用

・他のシステムにくらべて熱源機の追加購入が不要

・対応できる面積と使用時間には限りがある

床暖房専用ヒートポンプ

・CO2排出のないヒートポンプ方式(大気の熱で沸かしたお湯を利用)

・立ち上げてからじんわりと暖まる

エアコン連動型ヒートポンプ

・ヒートポンプとエアコンの機能が合わさったもの

・ヒートポンプ式よりも温まるのが早い

・夏場にはエアコン、冬場には床暖房として活躍する

太陽熱利用温水器

・太陽光の熱エネルギーを利用して、タンクに貯めた水をお湯へと変えるシステム(作れるのはお湯のみ)

・太陽光発電システムの半額以下の価格で導入できる

・雪国や寒冷地での使用にはあまり向いていない

 

オール電化の住宅に向いている温水循環式床暖房の主な種類は上記のとおりです。

 

お湯を貯められるシステム(エコキュート・太陽熱利用温水器)と、お湯を貯めないヒートポンプ式システムに大別できます。

 

既にオール電化住宅で給湯器を設置済の場合は、後付けできるヒートポンプ式が導入しやすいです。

 

ただしこれからオール電化住宅にするご家庭には、給湯と床暖房を1つで賄える多機能型エコキュートがおすすめです。

 

 

エコキュートを床暖房に活用するメリット・デメリット

メリット・デメリット

 

ここまでオール電化住宅(とくに今後建設予定)の場合は、給湯と床暖房を一手に担える多機能型のエコキュートがおすすめだとお伝えしました。

 

では多機能型の機種を床暖房に使用した際のメリット・デメリットにはどういったものが挙げられるのでしょうか。

 

ここからはエコキュートを床暖房システムとして利用した場合に想定されるメリット・デメリットについて解説します。

 

 

メリット

  • 給湯と床暖房のシステムを1つで賄える
  • 電気料金の安い夜間にお湯を作るため、電気代を節約しやすい
  • お湯で熱を床全体に広げていくため、電気式と比べて暖かさのムラや過度な暑さができにくい
  • エアコンやストーブを暖房に使わないので空気が乾燥せず、のどの痛みや肌の乾燥になりにくくなる
  • 灯油やガスを使う温水式と比べると、二酸化炭素の排出量が少なく環境にもやさしい


多機能型エコキュートを利用すると給湯・床暖房システムを1つにまとめられるため、別々に購入するよりも導入コストを抑えられるケースもあります。

 

また電気ヒーター式と比べて温度のムラができにくく、お子さんがいるご家庭でも火傷の心配をせずに使える点も魅力的です。

 

ただし既に温水器や床暖房用の機器を設置してる場合は、多機能型エコキュートに切り替えることで本体購入費や工事費がかさむためあまりおすすめできません

 

今からオール電化住宅を建てるなら多機能型エコキュートがおすすめですが、既にオール電化住宅で温水器があるご家庭は電気ヒーター式にした方が導入コストを安く抑えられます。

 

 

デメリット

  • すでに設置している機器から切り替える場合は導入コストがかさむ
  • 夜間に作られたお湯だけでは足りなくなり、電力単価の高い日中にもお湯を作らなくてはいけない場合は無駄な消費電力がかかる
  • 本体が故障してしまったときは、床暖房としての機能が停止するだけではなく、給湯もストップする
  • 暖められる範囲が他のシステムに比べて狭い(18~26畳程度)


エコキュートを床暖房に利用する際の最大の注意点は、新たに機種
を購入すると導入コストがかさんでしまう点です。

 

オール電化住宅建設に伴って最初から多機能型エコキュートを設置する場合は1度の購入で済みますが、既に設置済みの給湯器から切り替えるとなると計2回の購入が必要になります。

 

そのため多機能型のエコキュートの設置は、既に電気温水器を設置済みのご家庭にはあまり向いていません。

 

そのほか夜間に作っていたお湯で1日の使用量を賄えない場合は電気料金の割高な日中にお湯を沸かすことになったり、本体が故障した際は床暖房だけでなく給湯も停止してしまったりなどの弊害もあります。

 

 

床暖房機能付きエコキュートの具体例

具体例

パナソニック

対象機種:DFシリーズ

対応面積:最大20畳

使用時間:1日8時間が目安(最大16時間)

設置できる地域:外気温マイナス10℃までの地域(寒冷地は設置不可)

三菱電機

対応する機種なし

(ヒートポンプ式冷温水システムで対応可能)

日立

対象機種:BHP-FP46FULB/BHP-FP46FAULB

対応面積:8畳を想定

使用時間:8時間を想定

東芝

対応する機種なし

(代替となる機種の情報なし)

ダイキン

対応する機種なし

(ヒートポンプ式温水床暖房で対応可能)

コロナ

対応機種:CHP-46ATX3/CHP-46ATX3K

対応面積:一般地仕様は最大26畳/寒冷地仕様は最大18畳

使用時間:1日16時間程度が目安(24時間運転も可能)

※2021年10月時点

 

 

上の表は主要メーカー6社における、床暖房機能付きの機種のラインナップと特徴をまとめたものです。

 

床暖房機能付きの機種はあまりラインナップが豊富ではなく、そもそも対応できる機種がないメーカーも存在します。

 

ラインナップが少ない要因としては、多機能型のエコキュートよりもヒートポンプ式温水システムの需要が高く、各社とも需要に即した生産をしている点が挙げられるでしょう。

 

これからオール電化住宅を建てる場合には多機能型エコキュートの導入も検討余地がありますが、床暖房システムの後付けをしたい場合にはヒートポンプ式温水システムがおすすめです。

 

 

まとめ

 

この記事では床暖房機能付きのエコキュートの概要やメリット・デメリット、そして多機能型エコキュートの具体例についてご紹介しました。

 

給湯と床暖房をまとめてできる多機能型エコキュートは設置に適したタイミングが住宅の施行前しかなく、主要メーカーでもあまり取り扱いがないことがお分かりいただけたでしょうか。

 

床暖房システムを後付けで設置したいというケースでは、導入コストがかさむエコキュートよりもヒートポンプ式温水システムを選ぶことをおすすめします。

 

両者の違いは「給湯ができるかどうか」のみで、空気の熱を使ってお湯を沸かすヒートポンプのシステムは同じものです。

 

どちらがご自宅に合っているかしっかり確認し、販売店とも相談しながら導入を進めてください。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

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