エコキュートのタンク容量の選び方とは?実際に計算しながら解説
「エコキュートを買いたいけど、どの大きさがいいかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
エコキュートを選ぶ上で最重要となるのは、貯湯タンクの容量です。
タンクの容量は370リットル・460リットル・550~560リットルの3タイプが主流になっています。
この記事ではエコキュートの選び方を、1日に使うお湯の量や家族構成の観点から解説します。
エコキュートを貯湯タンクの容量で選ぶときの基準
ここからはエコキュートの貯湯タンク容量を選ぶうえで大事なポイントをご紹介します。
具体的な解説順は以下のとおりです。
①1日に使うお湯の量の目安
②エコキュートの最大給湯量
③家族構成に合ったタンク容量
実際に計算を交えながら説明していくので、ご自分の生活環境に照らし合わせてご覧ください。
1人が1日に使うお湯の量を計算する
|
目安の給湯量 |
お湯はり |
約180~200リットル / 1回 |
シャワー |
約10~15リットル / 1分 |
キッチン・洗面台 |
約10~30リットル / 1日 |
参照:基本的な機能 | 基本的な機能 | エコキュートQ&A よくあるご質問 | エコキュート | 給湯・暖房 | Panasonic
上の表は1人が1日に使うお湯の量の目安を表したものです。
貯湯タンクの大きさ(容量)を選ぶ前に、まずは「1日に使うお湯の量が何リットルなのか」か考えることが重要です。
具体例として、3人家族の1日に使うお湯の量を計算してみましょう。
|
目安の給湯量 |
条件 |
お湯はり |
約200リットル |
1回の給湯で3人とも入浴 |
シャワー |
約150リットル |
1人あたり5分で50L×3人分 |
キッチン・洗面台 |
約90リットル |
1人あたり30L×3人分 |
1日の合計給湯量 |
約440リットル |
目安にあてはめてみたところ、3人家族では1日に約440リットルのお湯を使うであろうと想定できました。
エコキュートのおもなタンク容量(370L・460L・550L)の中から選ぶとすれば、460Lタイプがぴったりのように思う方も多いでしょう。
ですが実際には370Lタイプで3人家族の1日分のお湯(約440L)をまかなうことが可能です。
ここからは「貯湯タンクの容量は1日に使うお湯の量よりも小さくて良い」理由をご説明します。
実際はタンク容量よりも多くのお湯が使える
最大給湯量 = (貯湯温度 - 給水温度) ÷ (使用温度 - 給水温度) × タンク容量 |
参照::わが家に最適なエコキュート容量はどれくらい?地域別使用可能湯量一覧【ソーラーパートナーズ】 (solar-partners.jp)
上の式はエコキュートの最大給湯量を計算するための計算式です。
これに以下の条件をあてはめて計算してみましょう。
<貯湯温度>65℃ ※下限の温度を想定
(参照:エコキュートQ&A よくあるご質問 | Panasonic)
<給水温度>11℃ ※東京都の12月の平均水温を想定
(参照:トピック第3回 水道水の水温 | 東京都水道局 (tokyo.lg.jp))
<使用温度>42℃ ※熱めのお風呂の温度を想定
<タンク容量>370リットル
【計算式】
★(貯湯温度-給水温度)÷(使用温度-給水温度)×タンク容量
=(65-11)÷(42-11)×370
=(54)÷(31)×370
= 1.74×370
= 643.8
つまり370Lのエコキュートが給湯できるお湯の量は約644Lになるため、3人家族(1日の給湯量約440L)の場合は370Lタイプで十分まかなえます。
貯湯タンクの容量は家族構成から考える
貯湯タンクの容量 |
実際に使えるお湯の量(目安) |
家族構成 |
370リットル |
約644リットル(※) |
3~5人家族向け |
460リットル |
約800リットル(※) |
4~7人家族向け |
550リットル |
約957リットル(※) |
7~8人家族向け |
上の表は貯湯タンクの容量に対して、実際に使えるお湯の量を計算したものです。
(※貯湯温度65℃、給水温度11℃、使用温度42℃で計算した場合)
具体例として計算した3人家族が1日に必要な給湯量は約440リットルだったので、1人が1日に使うお湯の量は約146リットル前後と想定できます。(440÷3=146.666667)
エコキュートのタンク容量を選ぶときは概算として【150リットル × 家族の人数】でおおよその給湯量を計算しましょう。
ちなみにタンク内のお湯を使い切ってしまった場合でも沸き増しができるので、想定した1日分の給湯量よりも小さめのタンクでも使えないことはありません。
まとめ
この記事ではエコキュートの貯湯タンク容量を選ぶ方法について解説してきました。
実際に計算を交えながらご説明したので、実際に使えるお湯の量はタンク容量よりも多いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ご自分やご家族の生活状況に合わせてお湯の使用量をあらかじめ計算し、ちょうどいい大きさのエコキュートを選んでください。
とはいえエコキュートに貯めてあるお湯は災害時の生活用水としても活用できるので、大きめのサイズを選んでおくと安心です。
ただしタンクの容量が大きくなると、その分本体価格も上がるので注意しましょう。
この記事がエコキュートの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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